株式に投資する際に、候補銘柄を評価する指標としてROAやROEはよく用いられていますよね。
これらは資産効率性に関する指標ですが、名前もよく似ているため「どちらの指標を使うのが良いんだろう」「名前が似ているからどっち使ってもいいのかな」などといまいち要領を得ずに、なんとなくどちらかを使っている人も少なくありません。
この記事ではそんなROAとROEの「違い」と「使い分けの方法」について解説します。
まずはROAとROEの計算式をみてみましょう。
ROA=当期純利益÷総資産×100
ROE=当期純利益÷自己資本×100
となります。分子は同じですが、割る分母が違うということが分かります。
つまりROAは総資産で割って値を出しているので、会社の全資産をどれだけ効率的に使って純利益を出したかという「全体の効率性」をチェックできます。
一方ROEは純利益を自己資本で割って値を出しています。つまり全体を俯瞰するような指標ではなくて、株主の資本を効率的に活用しているか、あるいは株主還元をしっかりやってきたかどうかを判断するのに適しています。
例えばトラック10台を使って運送業をおこなっている会社を例にして考えてみましょう。トラック2台は自己資本(株主資本)で購入して、残り8台は負債でまかなっているとします。またわかりやすいように総資産はトラック10台だけとします。
トラック1台1000万円とすると
自己資本(≒株主資本)2000万円(トラック2台)
総資産1億円(トラック10台)
となります。
ここで運送会社の年間純利益が500万円とすると
ROA=500万円÷1億円×100=5%
ROE=500万円÷2000万円×100=25%
となります。
ROAは全体の資産(総資産)で500万円の利益を出したという計算式ですから、10台のトラックで500万円の利益を出したという実態をまさに表しています。ですからROAこそ会社の全資産をどれだけ効率的に活用してきたかを判断する指標として使えると思います。
一方ROEは自己資本(トラック2台)で500万円の純利益を出したという計算式です。これでは、会社全体の資産をどれぐらい効率的に使ってきたかの判断には使いづらいですよね。10台あるうちトラック2台分で純利益500万円を稼ぎだしたとは到底考えられないですからね。
ところでROEは自己資本を配当金の分配や自己株買いなどを通じて減らして(分母を小さくして)高くできますので、ROEは株主還元に積極的かどうかのチェックに使えます。ですので候補企業のROEが高い場合は、過去の自己株買い実施状況や配当性向などを調べてより深く確認するきっかけとして使えます。
以上までの解説をまとめると以下の通りになります。
なお日本企業では一般的にROEが10%以上、ROAが5%以上で優秀といわれています。
またROEとROAを活用する場合は、同業他社との比較や、候補銘柄の過去の値との比較などもおこなうと多角的な分析ができます。
最後までお読みくださりありがとうございました。